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2005/05/12

階級分化とジャズ

ある英文で次のような定義がなされていた。

Jazz is a certain kind of American popular music.

「ジャズはアメリカのポピュラー音楽の一種である」ということだが、どこかしっくり来ない。
アメリカは自由の国と言われているが、明らかに階級差がある。イギリスのような貴族は存在しないが、知識人を輩出する上流・中流階級と、ブルーカラーの労働者階級は文化が違う。

ジャズは白人により奴隷に貶められた、アフリカ系アメリカ人が産み出した音楽であるが、その後は洗練され続け、今ではスノッブたちが愛する音楽と言えば、クラシックかジャズになっている。彼らは決してヒップホップなど聴かない。ロックも敬遠する。

つまり、ポピュラー音楽は労働者階級のものだという意識が強いのだ。
私の好きなロックの ブルース=スプリングスティーン にしろ、ジョン=クーガー にしろ、労働者階級の出身であり、中流以上の人にかなりの反感というか対抗意識を持っている。確かブルース=スプリングスティーンは死ぬまで労働者階級の英語で歌い続けると言っていた。決してひがみではなく、そのことに誇りを持っているのだ。人種のサラダボウルたるアメリカでは、自分のルーツを強烈に意識する人が多い。

私自身は、ジャズも好きだし、ロックも好きだ。両方を愛することができるのは、階級意識が薄い現在の日本で暮らすメリットであるが、今、日本でも階級分化が進んでいるような気がする。

付記
子供が使っていた中1の英語教科書Total Englishに次のような場面があった。

A: Do you like music, Ms. Jones?
J: Yes, I do, Aya.
A: Do you like rock music?
J: No, I don't.  I like jazz.

Ms. Jones というのは白人のアメリカ人教師である。他の課で、母親は図書館に勤め、妹は中国に留学しているとある。少なくとも中流以上の豊かな白人であろう。また、父親の趣味はテニスで、母親の趣味は水泳ともあった。この二つもスノッブ御用達だ。労働者階級の人々は、フットボール、バスケットボール、ベースボールが好きなのだ。

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コメント

トラックバックいただいたので来てみました。
ジャズと階級社会、面白く読ませていただきました。
私はデザインの方から見ているのでデザインの事を書きますが、ジャズは元々黒人たちが白人に受け入れられる唯一のものであったから、上中流階級に受け入れられやすいものを持っているし、その様な音楽だったのです。
だからジャケットも上質なセンスの良いものが多いですよね。
ロックなどは元々反発であり反逆であり、仲間との連帯はあるにしても上流階級を拒否する所から発生していますから、格好良くても上流会級に好まれるデザインではないですね。
(例外はいずれにもありますが)
まあ、日本ではジャズか好きと言ってもロックが好きと言っても変なやつだと思われる心配は今の所無いですね。

投稿: くまぱぱ | 2005/05/12 10:40

くまぱぱさん、コメントありがとうございます。
やっぱりジャケットはLPですよね。
僕は今や家では聴くことのできないLPを、しつこく持ち続けています。狭い団地で物を置く余裕がなく、潜水艦でゾウを飼うようなものであるにもかかわらず!

投稿: 朝霧 圭太 | 2005/05/12 11:05

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