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2005/05/09

子供は育てるのか?(4)

小学校で順位をつけることが忌避されている。

私の近所の小学校などの実例

○運動会の徒競走。背の順で走るのではなく、あらかじめタイムを計っておいて、そのタイムで一緒に走るメンバーを先生が決める。

○点数ではなく、手を挙げた回数で成績をつける。

○図工で絵を描くたびに、全員の作品を掲示する。

まだまだあるが、とりあえずこの三点について述べる。

まず、第一点の運動会。このシリーズ「子供は育てるのか(3)」で、大人が子供に介入しすぎることのまずさを書いたが、その一例。こんな小手先の仕事ばかりしているから、子供が学校の先生が言うことは嘘やと思うのである。社会に出られるよう準備をするのが学校の大きな役割の一つなのに、ご丁寧にもその最初の小学校で、子供たちに「学校は現実社会とは別物」という意識を刷り込んでいる。
なお、運動会で一位になるために、タイム測定の時にわざとゆっくり走る生徒がいるらしい。さらに、教師がそれを認めた場合、測定のタイムより早い組に入れるらしい。それでもタイムは測定しているらしい。その徹底さを別のところでいかせないものか。

第二点の成績。人を評価することを怖がり、避けるから、挙手の回数など機械的なやり方で成績をつけるのであろう。教師は主観を出すべきだ。人間が公正・客観的な評価などもとよりできるはずがない。生徒を伸ばしてやりたいという視点から、自分なりの評価をはっきりと出せばよい。体育でも音楽でも算数でも、できる子供が普通の子と変わらぬ成績だと自信をつける機会を奪うことにつながるし、できない子供が普通の成績だと、自分を見つめるきっかけを逃すことになる。

第三点の図工。第二点ともつながるが、評価には絶対差をつけるべきだ。絵でも習字でも、貼り出しはうまいものに限るべき。苦手をなくしてやろうという意識が強い教師が多すぎるが、ゼネラリストが評価されない世の流れからすると、平均的にできる子供より、得意分野を持つ子供の方が、いきいきと人生を送れるのではないだろうか。

社会主義、共産主義がほぼ消滅している世界において、最もその精神が保存されているのは、日本の小学校の職員室である。世界中で、子供の結果をそろえようとする発想を持つ教師、学校など他にはない。平等にするべきは機会である。才能や努力に差があるのが自明である以上、結果は異なって当然だ。

日本の小学校教諭よ。結果をそろえようとする下手な介入によって、子供が自信をもち育っていく機会を奪うべきではない。自信を持って順位をつけよ。算数でも、社会でも、体育でも、音楽でも。あらゆることで。顔の美しさや、足の長さでもよい。人を笑わせることでも、けんかの強さでも。とにかく何にでも。介入するより、よく観察して順位をつけよ。

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コメント

私の駄文にTBありがとうございます。

「子供は育てるのか」興味深く読ませていただきました。
私も、子供を持つ親として、子供に順位付けをしないのはおかしいと思っています。社会が平等であるのならば、その前身である学校で順位など必要ありませんが、現実はそうではありません。また、大人の干渉という点も矮人観場さんのおっしゃる通り問題だと思っています。

それでは、またお邪魔させていただきます。
・・・駄文で申し訳ないですが、こちらかもTBさせて頂きます。


投稿: ぴりから | 2005/05/08 22:48

はじめまして。
とても気になる記事だったので思わずコメントさせていただいてます。
子どもたちは幼児期、本来何もなくても遊びを創造して膨らませていくものだと思いますが、
そこにわざわざお金をかけて、創造力を奪っていく大人たちもいるなあと。
ちょっと、記事の趣旨とずれていてすいません。
でも、この記事を読んで、すごくこのことを思ったので。

投稿: ちこ | 2005/06/11 20:09

ちこさん、いらっしゃいませ。
僕も、こどもの創造・想像する力を奪うような大人の介入が気になっています。
ちょっと、一ヶ月ほどこのシリーズ記事を書いていないので、また書かないといけないという気にさせられました。ありがとうございます。

投稿: 朝霧 圭太 | 2005/06/12 09:51

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