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2007/07/03

終わりなき旅

すばらしい長編小説は、その物語世界に入り込むことが心地よく、読み終わると、達成感よりも寂しさの方が勝ります。遠距離恋愛の恋人と、デートを終えた後、見送られながら電車に乗る時の気持ちのように。

司馬遼太郎の歴史小説もそうでした。『坂の上の雲』や『竜馬がゆく』は文庫本で、1巻が400頁か500頁で8巻だったと思いますが、80巻ぐらいあってもいいような感じがしたほどです。

(この段落では、書名がずらりと並びますが、読み飛ばして下さい。青字で表示しています。後の話と関連があるので、面倒ながら列記しているだけです)
以前書いたように→「小説に意味がみいだせなかった」)、学生時代には小説を読まなかったのに、就職後はとりつかれたように読みました。徹夜や、始発出勤終電帰宅という時も、通勤時間に読んでいたほどで、『竜馬がゆく』、『坂の上の雲』、『項羽と劉邦』、『菜の花の沖』、『国盗り物語』、『播磨灘物語』、『殉死』、『世に棲む日日』、『北斗の人』、『箱根の坂』、『韃靼疾風録』、『花神』、『関ヶ原』、『覇王の家』、『城をとる話』、『燃えよ剣』、『梟の城』、『最後の将軍』、『空海の風景』、『翔ぶが如く』、『風神の門』、『城塞』、『十一番目の志士』、『義経』、『功名が辻』、『宮本武蔵』と主だった長編は読んでしまい、『故郷忘じがたく候』『酔って候』『馬上少年過ぐ』『豊臣家の人々』『幕末』『新選組血風録』『おれは権現』『アームストロング砲』などの短編集にも手を出しました。

おととしには、もう小説がほとんど残っていなかったので、『街道をゆく』を読み始めました。これがまた素晴らしい。他の何かとの重複も多いのだが、司馬さんの語り口が好きな僕には、ちょうどいい復習になったし、何より小説と違っていろんな時代の人々が次々に現れ、複層的に楽しめる。

今の僕の虚脱感を分かってもらえるでしょうか?

『街道をゆく』 さえ読み終わってしまいました……

読み始めた頃は、無限に続きそうな気がしていた43巻がついに……。嗚呼。

43巻は、司馬さんの死去により未完となっているので、巻の中ほどからは同行していた画家のスケッチが今までになく大きく、上質の紙に印刷されていたり、司馬さんを被写体とした取材中の写真が続いたり、それまでの42巻にはない構成で、最終巻なのだという思いを強めさせられました。

これが、落ち葉のころでなくて良かった。そんな時期に今のような気持ちになれば、自殺したくなっていたかもしれない。

これからは、博識で、人を愛し、おしゃべり、特に脱線が好きな先達なしで自分の人生を旅していかなければならない。

附記)
問題です。
実は、楽しみを後に残しておきたい僕は、司馬遼太郎の長編小説で、わざと読まずにとっている本があります。それは何でしょう?
有名な本ですよ。今日は暇ですること探すのに困るという方は、上の青字の書名を見て、抜けている本を見つけてみて下さい。

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