前略、朝日新聞様
謹啓
今年も夏の訪れと共に、各地で高校野球の地方大会が始まりました。いつにも増して、お忙しく過ごされていることでしょうね。
先日、朝日様の紙面を拝見いたしておりますと、地方版に大きく地方大会が採り上げられていました。大きな見出しで 「○○高校サヨナラ」 とあるのでその下の写真を拝見すると、サヨナラにしては緊迫感のないような感じがいたしました。よく写真のユニフォームを確認すると、別の球場で大勝したチームが挙げた大量点のうちの一点の場面でございました。
お忙しい故のお間違いかとも存じましたが、思慮深い朝日様のこと、例によって何か特別なご配慮やご陰謀がおありだったのでしょうね。
なにしろ朝日様は、何もない所にドラマをお作りになるのが、以前からお得意でしたものね。サンゴ礁にわざわざ落書きをなさって、ダイバーのモラル低下を嘆かれたことがありました。「ヤラセ」などと口汚く罵る輩がたくさんおりましたが、わたくしはそうは存じません。自分のモラル低下を自分で嘆く、その自己批判のストイックな姿には感動を覚え申し上げた次第です。
神戸の鈴木商店の件も忘れられません。日商岩井のルーツともなった鈴木商店は第一次世界大戦の好景気でのし上がった成金の代表格でございました。神戸は花隈の料亭で、ある紳士が玄関先が暗いと言って、お札を燃やし灯のかわりにしたなどという逸話が伝えられる時代でした。
金持ちを叩き庶民を代表をするという演技も朝日様の自家薬籠中の物でございますね。米騒動に混乱に乗じられ、鈴木商店が米を買い占めているというデマをご報じになり、見事に鈴木商店の焼き討ちにまでお導きになったご手腕は、見事というほかありません。
『ねずみ』の作者である城山三郎氏には、三井と組んだ陰謀だと喝破されましたが、今となっては、痛くも痒くもないことと拝察いたします。何しろ、鈴木商店はその後破産し、三井と朝日様は、戦中・戦後もご繁栄をお続けあそばしておられるのですから。
ご自身も後発ながら、夏目漱石を専属にするというご奇手でお成り上がりになった朝日様ですから、他の成り上がりにはご敏感だったのでしょう。いいえ、これは恥ずかしいことではございません。成長期、思春期には葛藤からくる間違いの一つや二つ誰にでも身に覚えがあることでございます。かく言うわたくしも、恥ずかしながら、補導されたことや、学校で反省文なるものの執筆を強制されたことが、一度ならずございました。
話は変わりますが、以前は他紙よりも格調高い文章を誇られた朝日様のご記事ですが、最近はその方針を変えられたかと、ご推察申し上げております。熟読いたしましてもよく意味の通らない文や、どちらともとれるあいまいなご表現、間違った語句の使い方などが散見されます。
わたくし思うに、庶民の味方をご標榜なさる朝日様のこと、日本語の力の落ちた我々読者のレベルに合わせるご努力を日々行われているのですね。頭の下がる思いでございます。ご学歴のお非常にお高いご社員ばかりをおそろえになられている朝日様のことですから、ご苦渋のご決断がおありになったことでしょうね。
高校野球は、これから地方大会に続いて甲子園での本大会と、更にお忙しさがお増しにおなられることでしょう。まして、今年はオリンピックイヤー。いつもにまして、何もないところからドラマをお仕立てになるご努力が必要なことと拝察申し上げます。くれぐれもご体調をお崩しにおなられないよう、ご自愛下さい。
平成二十年七月五日 朝霧圭太
朝日新聞様
追伸
わたくしが朝日新聞様をご購読申し上げているのは、ストーカー並にご来訪され購読をお迫りになり恐怖感さえお与えになる勧誘員の方のご熱意・ご迫力と、何よりもご購読のご褒美としてご提供頂けるという商品券の魅力に、愚妻が負け申し上げたためであることを、お申し添え致します。
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コメント
靖国問題も有名です。
「靖国参拝反対」を強く打ち出していた朝日新聞の奇策、それは「靖国参拝反対」の自社記事の内容をを中国の新聞に掲載紹介させ「中国は参拝を反対している」と日本国内に紹介、つまり朝日新聞の自社記事を中国の記事と偽ったものです。
日本と中国は政府間で靖国問題はそれぞれの文化だとして問題にしない事が密約されていたのですが、その変な記事で今のようにしてしまいました
その張本人こそいま報道ステーションで優しい顔をして解説している方名のです
書いたその新聞記事によって日中関係がこじれました責任、早く取ってもらいたいものです。
投稿: 玉井人 | 2008/07/06 22:49
>玉井人さん
あの、タイガースファンの人が、ですか。知りませんでした。
朝日新聞では、恥を感じさせないようにする社内教育が充実しているのかもしれませんね。
投稿: 圭太 | 2008/07/07 08:47