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2009/05/26

Growing up 2

前回の記事の続きです。

#14) 御衣黄 gyoiko
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(記事中の写真はクリック→拡大)

写真は緑色の桜、御衣黄ギョイコウ です。

高校を卒業するとすぐに神戸の家を出、京都に行きました。高校時代は少しでも早く家を出たいと思っていました。

久々に話をしたのは、結婚すると決めた時。

「結婚するらしいな」

「うん、そうやねん」

母には伝えてあったので、そんな会話を交わしました。

#15) お堂の裏に差す光
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状況が少し変わってきたのは、僕に子供が出来た頃。孫というものは可愛いようで、父はちょくちょく僕の家に寄るように。僕は挨拶ぐらいはするようになりました。

そして、子供が大きくなるにつれ、親父の心情を察するようになりました。若い頃は一切、父の胸中など考えようとしなかったのですが。

#16) 八重桜満開
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劇的に状況が変わったのは去年。義弟からカメラをもらって写真にはまりだしてからです。

半世紀近くカメラをいじってきた父親は、僕が写真を始めたのを聞いて喜んでいたようです。

#17) 紅を含む御衣黄も
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何かの折に実家へ行った時に、父親が「これ使うか」と言ってカメラ用品を出してきました。最初はフィルターだったのですが、僕が「ありがとう」と言ってもらうと、次はカメラバッグ2つ、三脚3本が次々に出てきました。

物をもらってしまうと弱い。それから、父親が僕の家に来た時には少し写真の話などするようになりました。

#18) 多宝塔跡
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そして、今年の正月に会ったとき、免許を持っていない父が

清水寺って知っとうか? もちろん京都やなしに、東条湖の近くの。いっぺん行きたい思とんねんけど、車がないとちょっと難しいんや。今度、連れて行ってくれへんか。そうやなぁ、新緑の頃に。

と言うので、「ええで」と答えていたのです。酒の入った席での発言だから本人は忘れているでしょうが、僕は覚えていました。

一つは、絶対に親父のようにはならないと思っていた頃に、自分の発言に責任を持つように心がける習慣がついていたのです。このブログではいい加減ですが、実生活では結構、自分の言葉を覚えているんです。

一つは、やはり父の年齢のことです。今はまだ元気で、年に300日ぐらい近くの標高300mぐらいの山に登っているそうですが、それでも残された年数が多いとは言えないでしょう。一度も親孝行をしたことがないなぁ、などと思われたのです。

#19) 多宝塔跡横
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ということで、五ヶ月前の約束を果たすべく、今回、播州清水寺に来たわけです。

車で2時間弱かかる見込みでした。3分以上続けて話した記憶がないので、そんなに長時間、何の話をしたらいいのだろうかと思っていましたが、スムーズとはいかないまでも、まぁ普通と言えるであろう範囲で話すことができました。

#20) 鎮守社
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同じ兵庫県の播州清水寺に来たことがないのが不思議なほど、各地のことを知っていました。父はドキュメントスタイルの写真を撮るので、風景好みの僕とはスタンスが違うのですが、それでも僕の趣味を感じ取り、それに合わせられるだけの知識と経験を持ち合わせていました。

#21) 地蔵堂裏
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印象的だったのは、撮影に対する気構え。せっかちで、待つことができない父が、雲を見ながらじっと光を待っていたのです。全く知らない一面で、感動的ですらありました。

レンジファインダーを覗く姿も決まっており、元々姿勢のいい人ではありますが、更に凛としているように見えました。

「雲の動きからして、弱い冬型やな」
などという分析も。確かに、この日は寒くて、3月のような格好をしていました。

#22) 九輪草 咲き始め
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ただ、困ったのは、慣れてくると、それまでの遠慮が徐々になくなり、撮り方を教えようとし始めたことです。

「ちょっと待てよ。あと20秒で雲が切れるぞ」  とか

「こっち、こっち。この角度からかがんで撮ったらええぞ。11ぐらいに絞り込んでな」 とか。

#23) せいたか楓
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半世紀近いキャリアの父より、半年ほどしか経験のない僕が劣るのは確かでしょうし、父に対するわだかまりが減ったのも確かですが、人の言いなりになれない僕の性格はどうしようもありません。遺伝だと思うんですが。

それに、父の経験からしても、僕が日なたよりも日陰を好むことまでは察せなかったようです。

#24) 日陰の石楠花 shakunage
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前回の記事でも石楠花しゃくなげ の写真を掲載しましたが、どちらもきれいに日光の当たったものでした。あれは、「今やぞ」とかいう父に、心の中で「ハイ、ハイ」と答えながら仕方なく撮ったものです。#24 と #25 は帰りにもう一度撮りなおしたもので、自分好みの瞬間を切り取りました。

#25) 蕾ふくらむ石楠花 shakunage
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石楠花って、はかなげな花弁に似合わず、蕾はかなり固そうなんですね。それが徐々にほころんで、咲くとあんなに柔らかになることを初めて知りました。

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コメント

圭太さん こんにちは(o^-^o)

やっとアップされましたね・・・
もっと落ち着いて拝読できる時間に出直します。

投稿: vanilla | 2009/05/26 18:17

固い蕾が開いて柔らかい花になるような父子関係の雪解けですね。なんだか、ハラハラしながら読ませていただきました。

清水寺へ誘うときは、お父上もドキドキだったのではないでしょうか。撮り方を指示するときのうれしそうな様子が伝わってきます。

Ⅰの方の8「本堂にも人影はなく」の屋根のラインきれいです。

日蔭の美の表現の方が難しいかもしれませんね。
よきライバルとしての関係もはじまりそうな予感、、、。

投稿: joy | 2009/05/26 19:31

shine vanillaさん
夕暮れ時は主婦にとって忙しい時間でしょうね。でも、落ち着いて読むほどのものでは…。思春期のガキがひとりよがりな発言をしているようなものですから。

shine joyさん
ありがとうございます。鋭く読み取って頂いて感激です。

Ⅰの#8)「本堂にも人影はなく」は、屋根と木立の曲線が美しいと思って撮ったので、これまたストライクのご批評で嬉しさ倍増です。

美術が3だった僕は構図が苦手で、美しいと感じた思いをそのまま表現することがなかなかできませんので、「ライバル」は務まらないかもしれませんが、そう言って頂けるだけで、新たな写欲が湧いてきます。よろしくお願いします。

投稿: 圭太 | 2009/05/27 08:40

圭太さん おはようございます
じっくりと読ませていただきました
実は私も父とは仲が良くありませんでした
父はとても厳しく頑固で、家では父の発言が絶対のようなものでした
小学校の低学年の頃公園で友達と遊んでいると、父に言われていつも祖母が「帰る時間だ」と呼びに来ました
高校の時も少し帰りが遅くなるといつも叱られました
だから大学生になって家を離れた時、やっと自由になれたと、とても嬉しい思いでした

祖父との思い出はいっぱいありました
小さい頃、自営で忙しかった両親に代わって、祖父母がよく面倒をみてくれていました
特に祖父はいつも遊んでくれ、いろんなところに連れて行ってくれました
だからか、祖父が亡くなった時はとても悲しく、いつまでも泣いていました
でも、一昨年父が亡くなった時は、祖父の時のような悲しみは感じませんでした

ところが最近、もっと父に優しく接してあげればよかった、もっと話をすればよかった、と後悔することがよくあります
いつも厳しい父の顔を見てきましたが、今思い出すのはいつも笑顔の父なのです・・・
でも、後悔先に立たず、です(笑)

圭太さん、こうしてお父さんとまた向き合うことができたこと、よかったですね!
親孝行はとにかくしておいた方がいいと思います(無理してもね・・・(笑)
親孝行したい時に親はなし、今の私には身にしみる言葉です・・・

どうか、もっともっとお父さんと仲良くなってくださいね


長々と自分のことを書いてしまい、すみません。

投稿: vanilla | 2009/05/27 09:26

shine vanillaさん
vanilla さんは、一人っ子もしくは姉妹がいらっしゃらないのでは? 男親にとって娘はやっぱり特別な存在。お父上も心配なために厳しくされたのでしょう。僕も娘に好かれていないと思いますが、大学は下宿したいという彼女のことが非常に心配です。
親孝行をできなかったということですが、父の日にプレゼントをされる記事を読みました。義務感ではなく、ご自分も楽しまれながら選ばれたプレゼントは、きっと思いがつまった何よりの贈り物で、非常な親孝行となったに違いありません。

一度、車で連れて行っただけで偉そうにしている僕も、将来、もっとしてやればよかったと公開するはずです。

投稿: 圭太 | 2009/05/28 09:07

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